明朝。
公園で独り、煙草を燻らせている僕があった。

その日、いつもより随分と早い時間に起床したので、暇を持て余していた僕は、何の目的もなく漠然とした気分のままふらふらと公園に足を運んだ。

道中に気付く。
空気が冷たく濡れていることを。
不快感はない。
寧ろ冷ややかな輪郭を感じ、心地よかったくらいだ。

天が濃い青に覆われている。
遠くの東にそれを剥ぐ黄金の陽光の帯が、薄く、薄く。

生命の囀りが空を舞っていた。
雀がチッチと鳴き、
烏がガァと鳴き、
鳩がクルクル鳴く。

人っ子一人居ない公園のベンチに腰かけた僕は、
紫煙を燻らせ、やはり漠然としていた。

煙草は文句なくうまかった。

一羽の鳩がばたばた音をたてて飛んで来て、座っているベンチの2メートル程前方に着地した。

程なくして数羽の鳩が集結、それぞれ首を前後に振りながら悠然と地べたを散策。

漠然とした面持ちの僕であったが、
鳩を眺めていると次第に愁然としてきたので、
陽光が天を染め始めた頃、帰路。



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