柳沢厚労相の発言が波紋を生んでいる。

「女性は子供を産む機械だ。」

との発言がマスコミに一斉に叩かれているのである。

僕はこの発言を聞いて、どういう文脈でこの発言が出てきたのか知りたくなった。

だが大手既成メディアは論点を「辞めるか、辞めないのか。お前どっちやねん!」
という所にフォーカスするばかりで彼の発言の真意を明確にしようとしない。

真意を明確にすると言うのは、
彼がいつもこのようなことを考えているのか、
ということかもしくは
話しの喩えとしてその発言をしたのか、ということである。

まあどちらにしろ、彼は人間としてどうかしているな、
と思えない事もないのだが。

というのも確かに女(メス)は生物の役割という観点からみれば「子供を産む機械」という側面もあるが、
現代社会においてこのような発想が出てくるのは非常にアホだと思わずにはいられないから。
日本であっても女性の社会的な役割は増大してきており、単に子供を産むだけの存在ではないことはこの一事を取っても明確に分かる。また、そもそも人を機械と認識するその傲慢さが僕は人として許せない。

更に言わせてもらえば、政治家ともあろうものが「女性=子供を産む機械」という一元論の解釈が多少でも頭にあるというのは遺憾に思わずにはいられない。

話しをメディアの姿勢に戻そう。

彼の人間として、政治家としてのマズさは直感的に分かるのだが、
それを曖昧に「辞めるのか否か」という脅迫で伝えるのはよろしくないであろう。

我々が知りたい、もしくは知るべき内容はその文脈であって、
「辞めるのか辞めないのか」ということではない。

彼の発言が喩えではなく心底そう思っていたから出て来たということが立証されたのならば「辞める辞めない」の議論が出てくるのは分かる。

だが今回に限らずメディアは内容よりも「事実」を悪意を持って我々に大々的に報ず。

換言するならばメディアはセンセーション感溢れるものが好物だからいつも分かりやすい形で我々にキャッチフレーズをぶつける。

しかし往々にしてそのキャッチフレーズは的外れであったり、
物事を曖昧にぼかす。
大衆は感覚だけで踊らされる。本当の事は知識層しか知らないままに。

事を正確に伝えようとしないメディアの罪はともすれば
不適切な発言をした柳沢厚労相よりも大きいのかもしれない。


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押せばいいと思うよ。

コメント

AKI
AKI
2007年2月9日1:12

テレビをロクに見ない私はつい最近までこの発言を知らなかった。
しかしこんなこと言うと叩かれることも解らなかったのか。
まあ、いきさつを知らないからそうはいえないかもしれんが。

盛男
盛男
2007年2月9日22:07

まあ彼なりに必死だったんだろうね。おそらく。
まあ君もたまにはニュース見るなり聞くなりしたほうがいいと思うよ、大学生として。

AKI
AKI
2007年2月10日16:23

アニメばっかり見ていてすまん。

盛男
盛男
2007年2月10日22:22

今の君がオタクという種族にカテゴライズされるかどうか、
厳密な意味では僕には判断できない。
なぜなら僕はオタク評論家ではないからだ。

ただ僕の一個人の感覚としていえるのは、
君は立派なオタクである、ということだ。