空虚のポーズ

分かってもいないのに、意味ありげに鼻で笑う、空虚のポーズ。





最近のここの日記ときたら酷いもので「はっきりいってこのブログのテーマはありふれたテーマ、性です」と堂々と標榜しておきながらその実、全くシモくない・卑猥でない、という体たらくぶり。自分でも酷い嘘つきだと思う。

読者の方々もそろそろ憤激を我慢しきれず、コメ欄を炎上させる準備を着実にうち進めている頃合であろう。僕も読者の立場ならそうする。こんな嘘つきブログ、早く閉鎖しちまえ！と声高に叫び、何の意味も持たないAAを次々にそれいけと投下。しまいにゃ田代砲で狙い撃ち。当然管理人である僕は精神をズタボロにされ、傷心のまますごすごとブログ閉鎖。そんな情景がありありと脳裏に浮かぶ。

でもここで僕は「ちょっと待ってほしい」と言いたい。確かにテーマは「性」とか臆面もなく豪語してしまっている。
しかしである。
毎日毎日卑猥な冗談を綴る日記。これはいかがなものであろうか、と問いたいのである。思うに猥雑な日記というのはたまに読むからこそ、面白さを感じるのだ。日々同じ調子でちんことかおっぱいとかガキのように喚き散らす日記。これになんの面白さがあろうか。あるのは腐りきった予定調和。枯れたマンネリズムである。淫猥な内容のテキストはその突如性、突発性、不意打ち性にこそ醍醐味がある。

仮にである。黒木瞳の如き麗しの女性が神妙な面持ちでひと言。
「これはまたとんでもないソーセージですこと…」
これは滑稽である。これは普段そういった卑猥な発言をすることが夢にも想像できないからこそ面白い。突如の意外性。これに尽きる。

僕が言いたいのは日記に幅を持たせ、あたかも猥談などしませんよ、といったとぼけた顔をしながらその実ちょこちょこと性をにおわす発言をし、滑稽を生む、これだね。盲点からの襲撃。明智を刺そうとブッシュからぎらついた目を覗かせる名も知れぬ農民の気持ちが、今よく分かる。





「分かってもいないのに、意味ありげに鼻で笑う、空虚のポーズ」




（蛇足…今日の日記のテーマは「筆者の嘘を嗤う」でした。）



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