彼は渋谷の大人のトイ店からオナホールを盗んだ。どれでもよかったので、人目のない場所に置かれているそれを盗った。TENGAと名づけられたそれは、縦20cm、幅は5cmほどで、真ん中が窪んでいる非貫通式のそれだった。

盗みを働いたのは、別段に性欲が溜まっていたからでも金がなかったからでもではなかった。買う時に店員にその恥の塊のような物質をみられるのが耐えられなかったのだ。

その前日、彼は友人の伊集院からオナホの感想を聞かされた。
伊集院は満足そうな笑顔を顔面全体に滲ませ、言った。

「あのね、あのね、僕ね、オナホやってみたの、オナホ。
兄者の机の引き出しをね、物色してたらね、あったの、オナホがね、あったの、そんでね、いつものようにロシアの幼女のビデオをね、観ながらね、それをね、試してみたらね、びっくりしたよね、あのね、ぬるんぬるんとね、僕のね、おちんこをね、気持ち良くしてくれてね、僕ね、15秒でね、プシューって出ちゃってね、ほんとにね、気持ち良かったのね」

伊集院は身振り手ぶりを交えてその時の感動を彼に伝えた。「プシュー」という表現を用いて射精を表現する時、実際にズボンを下ろし陰茎を露出させ、大きく腰を反らせた。象の鼻のようなチンコは隆々勃起していた。彼は伊集院のそれを何度もみているからもう慣れっこだが、それにしてもとんでもないデカチンだった。ゆうに長さは20cmは超えている。そのくせ皮は亀頭全体を覆い付くしつぼみの様に先端で丸まっていた。

伊集院の話を聞いて興奮した彼は、早速自分も試してみたい、と思った。東京に昨年進学のため越して来た彼は、オナホがどこに売られているか、既に知っていた。彼の心はすでにオナホールに吸い込まれていた。

オナホールを盗んだ彼は、マックの女子トイレに侵入しようと思った。彼は女性の使い古しのナプキンでオナニーすることが日課となっていた。大学の女子便所や駅の便所で毎日大量のそれを盗むのだ。女子トイレに入るところやそこから出る時に女性に見つかることも多々あったが、彼は俯き加減で「間違った間違った」と呟きながら小走りでその場を立ち去りさえすれば何の問題もないと信じていた。

女性がいない事を確認して彼はマックの女子トイレに侵入した。幸いトイレ内にも女性の姿はみられなかった。二つの個室型トイレがあった。どちらも空室だったので、奥の個室に入った。

汚物入れには二つのそれが入っていた。彼はそれをまず鼻に擦りつけるようにして臭い、うっとりして少し涎を垂らした。いつもの彼ならば目的のブツを回収したらすぐにその場から立ち去るのだが、今回はそれでは勿体無いような気がした。なにしろ今、盗んできたばかりの快感製造機、オナホールを手中にしているのである。
女子トイレという神聖かつ禁断の場でオナニーできたらどんなによいだろうか、と彼は想像するといても立ってもいられなくなった。既に彼のそこはもう我慢できません、と言うように屹立している。

彼は苦渋の決断を迫られた将校のような、複雑な心持となった。ここで早々に逃げ出さねば、女性に見つかるリスクがものすごく高まる。見つかってもいつものように「間違えた」作戦を敢行すればなんてことないのかもしれないが、万一女子トイレに入っている場面を誰か知らない人が観ていて、それを不審に思って店員にタレこんだりしたら最悪だ。間違えたではすまされない。きっとこのオナホもみつかり、ナプキンも見つかり、キチガイ認定されそのまま警察へと直行しないとイケなくなる。

だが、ここで生まれて始めて使うオナホ、これを最高の舞台で最高のコンディションの時に使ってみたかった。なにしろ人生初の試みである。童貞である彼にとって、これは特別なセレモニーであり、なんびとも侵してはならないならない、スペシャルなものである。

彼は葛藤した。逃げるのか、ここでスペシャルな儀式を敢行するのか。


※このお話はフィクションであり、実在する人物とか団体とか企業とかとは何の関係もないことをここに明記しておきます。







人気ブログランキング(クリックすると投票できます。)

http://blog.with2.net/link.php?373700

コメント

AKI
AKI
2007年9月27日23:22

体験談?

盛男
盛男
2007年9月28日19:48

体験談てありえないだろwww