(これまでのオナホ物語は右下のほうにある『連載』フォルダに格納されておりますよ)



彼はこの世のありとあらゆる快楽を自分だけが独占している、という錯覚を抱いた。
渋谷のマクドナルドの女子トイレで使用済みのナプキンを鼻にあててその臭いを胸いっぱいに吸い込み、オナホールを自分のペニスに串刺しにし、それを一心不乱に上下運動させていると、今現在、この一刻一刻だけが生きている価値そのものであり、この一瞬だけのために彼は生存してきた、と一切の疑いを持たず全身で実感できた。
一瞬の享楽。それは理性的でなく動物的な感情そのものであり、忌避すべきものとされる。だが、そんな能書きが今の彼にとってどんな意味を持つだろうか。この世の涅槃を体感する彼に、理性たるものはどこを探しても見つかりはしないだろう。

まだオナホールを用いてのオナニーを開始する前の彼はしかし、女子トイレの便座に座り、理性を用いての葛藤に暮れていた。

『初めてのオナホール!ホカホカの湯気の出るようなあったかな捨てられたばかりのナプキン!これをこのマックの女子トイレの中で使えたなら、どんなに快感だろうか!おそらく、その快感たるや稲妻に打たれた時のような、圧倒的な衝撃にまず間違いは無い!ならば、なぜ俺はそれをしないのだろう?分かっていながら、確信しておきながら、なぜ目の前の刺激を享受しようとしないのだろう!今という時が一点一点で独立した粒子の様なものであるならば、俺は喜び勇んでオナホールを手に取ることだろう!しかし!予感、これが俺を悩ませる!あたかも独立した粒子がひとつひとつ結合し、新たな物質にその姿を変容するが如く、新たな何かが眼前にしかと現れるのが分かる!忌々しい未来の映像が、確かに見えてしまう!そしてまた忌々しいことに、その映像はひどく確実なようにも思われる。だが、この右手にあるオナホール、これは間違いなく実物であり、また左手にあるナプキンもまた実物である。俺はいま見えない予感に縛られて、実物を見捨てようとしている!こんなことってあるだろうか!人類に付与された想像力は、我々を不幸に叩き落すために存在するだなんて、あまりに酷い話じゃないか!ああ、やめよう、そんな馬鹿馬鹿しいことに想像力を働かせるのは。なんだって、自らの未来を、自らの手で暗くしなければならないんだ。そんなことはまともな人間のすることじゃない。進んで奴隷になるような、気違いのすることだ!俺は、俺の想像力を常に自分の快楽に向ける!それこそが幸福、快楽、充実を導く最善手であるに。よしやろう!オナホールを使って、オナニーをおっぱじめよう!』



一流ボクサーがシャドウボクシングに励む時にみせる想像力と行動力は、一般人には決して理解できるような代物ではないという。彼らは研ぎ澄まされた頭脳を極限までに鋭敏にし、その莫大な数の経験と知識を最大限に活用し、脳内にどこまでもリアル対戦相手を見立てる。その対戦相手の一挙一動が彼らを動かせ、時に擬似の痛みさえも与えるのだ。今彼は一流ボクサー顔負けの集中力と想像力を遺憾なく発揮し、自慰行為に勤しみ始めた。己の快感を極限まで最大化させることだけが目的の男の姿が、そこにはあった。

しばらくして、トイレの入り口のドアが開き、就職活動中の伊藤陽子が中にはいってきた。彼は行為に熱中していて、その音には気がつかなかった。

伊藤陽子が二つあるトイレのドアを空けて鍵をかけた時もまた、彼はその音に気がつかなかった。彼女の動作が控えめだったこともあるが、通常では確かにありえないことである。しかしはじめてのオナホールを使ってのオナニー、そして拾いたてのナプキンは彼をあまりに興奮させたのである。

伊藤陽子が用をたすためにパンツをずり下ろした頃に、彼の手さげバッグの中にある携帯電話が着信音を鳴らした。彼はハッと正気に帰り、思わず「うわっ」と声を上げてしまった。そして次の瞬間、彼は耳を疑う。隣の個室から「ヒャッ!」という若い女の声がきこえてきたのである!「いつの間に…」彼は思ったがしかしグズグズしてはいられない。すぐにこの場を立ち去らねば!焦りに駆られた彼は勃起したペニスをパンツの中にしまい、オナホールをバッグの中に放り入れてここから脱出する準備を整えた。相変わらず携帯電話からは喧しい着信音が発せられている。すぐさま電源を切ってやろうとバッグの中をまさぐるが,ファイルや書物に隠れてどうにも見つからない。逼迫した焦燥は冷静さを失わせる。唸り声をあげながら彼は必死にバッグの中をかき回す。日常ならばあっという間に見つかるものも、頭に血が上っていて視界が狭くなった者には容易ならざることとなる。ようやく着信音を切った彼は、鍵を空けて個室から飛び出た。

だがまたもや彼は失態に気づく。なんと手にナプキンを握り締めたままだったのである!これはいかん!と思った彼は肩にかけていた手提げバッグにそれを詰め込もうとしたが力任せにグンと入れようとしたため、肩からバッグがずり落ちてしまった。中にはいっていたファイルやら筆入れ、つい先ほどまで彼のペニスを包んでいたオナホール、汚物入れから回収した使用済みのナプキン、それらが床にぶちまけられた。彼は焦りのあまりに気が遠くなりそうだった。心臓の音が体の内部からダイレクトに彼の耳に伝わってくる。その鼓動の音が彼にとって信じられないほど大きき聞こえ、もしかしたらこの太鼓のような音が今トイレに入っている女性に聞こえているかもしれない、という考えが彼の頭をますます狼狽させた。気がついたら彼は無意識的に『だめだだめだ…』と独り言を発していた。『こんなところで捕まるなんて、だめだだめだ、だめだだめだ…落ち着け、ああ、落ち着け、ああ、落ち着け』
意味という意味は抜け落ち、反射のように彼は言葉を発していた。落ち着く、駄目、それらの言葉は差し迫った場面で頻繁に使われるとことを彼は知らず知らずのうちに知っていて、今現在、その言葉が持つ意味はすっぽりと彼の頭からはきえていた。、無意識的に「おちつく」「だめ」「つかまる」という言葉が無機質な音声として発せられる。
それでも彼の手はファイルやナプキンをバッグに掻き集めていた。こういうケースでは、こういう行動をする、と本能的に知っているかのような動きであった。しかし精神が本能に牛耳られ、本来の繊細な神経がめっきり乱れていると、当然だが細かなことにまで気が行き届かなくなるものである。
ファイルやノートを荒っぽくバッグに詰め込む彼。ふと視界の端に見えた床に転がる筆入れ。反射的に手に取ろうと体の向きを変えた時、彼は膝に何かが当たった気がした。見ると、彼の携帯電話が女のいるトイレの個室のドアと床の隙間をめがけて一直線に滑っているではないか!「ああっ!」グンと手を伸ばしてももう遅い、携帯電話はすっかり伊藤陽子が座る個室の中に入っていってしまった。









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コメント

AKI
AKI
2007年11月16日23:41

次回予告

次回オナホ物語!戦慄、バイブレーションGAL☆

盛夫の歴史に、また1ページ。。。

盛男
盛男
2007年11月17日0:46

なんという的確な次回予告。もしやノストラダムス?ってねーよww

そういや、少し前にジョイスティック買ったわ。買ったはいいけど、ぜんぜんうまくならねえ!未だに真空波動さえ安定せんし、才能の無さを実感する毎日やでしかし。

そういや、永井テンテーが12月1日に箱○版の3rd買う予定らしいね。通信対戦配信が楽しみやわー

nophoto
ねお
2007年11月18日15:12

箱○版3rdでるのかwww
てかスト4がでるらしいな!!

ジョイスティックはなれないと難しいよねww
あと最近まことはじめたよまこと
ギルパーフェクト簡単にできるな!www

盛男
盛男
2007年11月19日2:41

すまん、調べてみたら360やなくて、ふつーのXBOXらしいわ!
スト4かあ、デモムービーかっこよかったわ。

まことでギルパーフェクトだと!?闘劇でろ!

nophoto
ねお
2007年11月19日15:03

まことは唐草一回つかんだらあとは簡単だよ!コンピュータ相手ならね!
唐草→台パン→強疾風→唐草→台パン→強疾風→(以下ループ)だお!丹田でやったらダメがすごいよ!

盛男
盛男
2007年11月20日4:52

台パンワロスww

「また掴まれた!アッー!大パン疾風ー!また掴まれた!(以下ループ)」

「クソゲーやが!」

唐草の度に台パン