虫に騒ぐ女

機は熟したと思うよ。昨日くらいに。一身に感じたわ。そろそろ潮時だって。ユニフォーム脱ぐ時だって。ちょんまげ剃る時だって。もったいぶっても仕方ないから単刀直入に言うけど、
「女は虫に騒ぎすぎ。うるさい。ワザとらしい」という発言から俺は卒業しました。これまでのご愛顧、まことにありがとうございました。われわれはもう完全に店じまいです。これまで散々女の虫に対するあの大げさすぎるリアクションに逐一「わざとらしいんじゃ！このくそアマが！」と（心の中で）怒鳴る自分からの決別を誓いました。

なぜ、って俺はもう分かってしまったもんね。ピンときたもん。コナン君みたいに。女の子は感情的な生き物であって、男以上に感情の起伏が激しいんだってね。

いや、もうだって、あいつらすぐ泣くでしょ？なんや、酒場でマキちゃんはこう言ってたわ。
「アタシね、落ち込んだら必ずあゆの〜〜って曲（名前忘れた。横文字だった）聴くのね。でね、一人で聴いてたらね、いつも泣いちゃうの。」
本当かどうか知らんけど、こういう報告、すなわち音楽を聴いて泣くとかいう大袈裟極まる報告は確かに今までに何度か聞いた事があって、これはもう、マジやんな、と思う。

このような考えから、女に「虫ごときで騒ぐなよ…」というのは猫に猫じゃらしに飛びつくな、というくらい無謀な事、あるいは犬に嬉しいときに尻尾振るな、というくらい無謀な事、あるいはキリスト教の宣教師にこれ以上布教するな、というくらい無謀な事、と気付いたわけやね。

もうね、キリスト教の宣教師なんて凄まじいんだから。何が、ってガッツが凄まじいんだから。やつらは一時期島原の乱で散々に圧迫、迫害されたわな。そんでもなお極東の地ジャポンに来てるわけやから。穴吊りとか焚刑とか水磔とかされても尚、挫けないわけやらから。渡航し続けるわけやから。すごい執念やねんから。もうね、そういうのは信仰心だけじゃ語れないね、本能よ、本能。女もね、言うたら同じなんですよ、これと。やつらも宣教師と同じように、どんな艱難辛苦が降りかかろうとも、どんなに迫害され続けても、虫に驚け、という本能があって、それはもう、決定事項なんですよ。言うたら定数なんですよ。問題文に記された前提条件なんですよ。XとかYとかZであえて置き換える必要の無い事項なんですよ、もう。
だから俺が思ったのは、こういう反応は当たり前なんやから、粛々と受け止めるべき、ちゅうことやね。うん。まあ普通過ぎるけど。ごめん。でも不思議なのは、虫以上にグロい男のちんこにはなんで喜んでペロペロするんだろう、ってこと。ちんこって、言うたら形は芋虫やないっすか。デカくなるし。白いの出すし。しかも臭いし。被ってるし。カントンやし。なんで舐めるんやろ？なんで挙句の果てには、入れちゃうんだろ？思うんだけど、これは世界の不思議7選に抜擢されてもええ。どうかな？





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