たまに、「俺は孤独が好きだ」と言う人間がいるのだけど、これが本心から出てくる人は相当に少ないと思う。
すなわち、大半の「俺は孤独が好きだ」という発言は嘘になるのではないか、と思うのである。

そもそも孤独とは何か、というところから話を始めねばならないだろう。辞書からひっぱる。

頼りになる人や心の通じあう人がなく、ひとりぼっちで、さびしい・こと(さま)。

三省堂提供「大辞林 第二版」より

もしあなたが、「孤独が好きだ」と発言するならば、いかなる状況であっても独りで、寂しい心境を愛している事となる。

例えば、あなたが家にいて好き気ままにゲームやらネットやらをしているとしようか。どうだろう、これはあなたが「孤独である」ということになるだろうか。
もちろん、答えは否だ。あなたは確かにひとりかもしれないが、別段に寂しくないし、そしてその寂しさを愛しているわけではないのではないだろうか。あたなが愛しているのはゲームであってネットであって漫画であって。
要するに、彼らはひとり遊びが楽、あるいは好き、ということになるだろう。

孤独とは卑近な例ではあるが以下のような状況を意味する。
宴会の席にて。あなたはどういうわけか周りと打ち解けられず、ひとり、ぽつんと無言で酒を飲んでいる。周りはくだらないゲームをやったり、イッキのみをやったり、噂話に花を咲かせたりしている。あなたはそれら一切のイベントの蚊帳の外にいる。イッキ飲みのコールも振られないし、ゲームにも参加できる気持ちじゃないし、そもそも誘ってもらえないし、噂話に乗れるほど、彼らと仲よくはない。あなたはその宴席では無視された「独り」の存在であって、また、まわりの賑やかさ・華やかさ・楽しさを眼前にしたあなたは確実に「寂しさ」を感じるはずである。
これが孤独ある、と私は思う。こういう鮮やかに「寂しさ」を感じられる要素は孤独と言う概念には不可欠だ。

どうだろうか。あなたは果たして宴席で無視され、独りでいる事に居心地のよさを感じることができるだろうか。





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コメント

nophoto
通りすがり
2008年9月8日11:52

2タイトル連続コメントお許し下さい。
面白い内容なのでついつい。

『一人で生きていけるタイプ』
『孤独が好きそう』
とよく人から言われます。
そういう風に見られるのは嫌ではありません。
しかし実際の私は寂しがりやです、そうは絶対見られませんけど。
集団の中ではみ出してる自分は好きだけど
自分からあえてはみ出してるだけで
周りからはみ出されてる状態は堪えられない。
『アタシ孤独が好きそうに見られるのが好きなの』
って感じでしょうか。

>もしあなたが、「孤独が好きだ」と発言するならば、いかなる状況であっても独りで、寂しい心境を愛している事となる。

確かに。そんな人、ある意味格好いいですけど。
自分に酔ってるってのもあるかも。

盛男
盛男
2008年9月8日20:51

>自分からあえてはみ出してるだけで
周りからはみ出されてる状態は堪えられない。

ここはすごく分かります。
自分でひとりを選ぶのと、否応なしにひとりになるのとでは心の余裕が全然違いますよね。
人間、あるいは猿は昔から集団性活をして生命を維持してきたので、疎外されることを本能レベルで恐れているのかもしれませんね。