偽りの童貞が誇れる自分になるための、たった一つの方法

同期の連中と話してたんです。
そんで、ものすごく地味で、いつも下向いてて、無口なＡ君の話になったんです。

「なあなあ、知ってる？Ａって童貞じゃないらしいよ！まえ彼女いたんだって！！意外だよね～」

僕はその発言を聞いたとき、どう応答すればいいのか、さっぱり分かりませんでした。
というのも僕は完全なる童貞で、かつ同期の連中に童貞であることを告白していなかったからです。

むしろ逆に、そういうことしたことあるみたいな感じに言ってて、つまり同期の前では非童貞の感じで振舞っていたのです。気づいたら、そんな感じになってたのです。

その偽りの非童貞である僕が「あの地味で無口なＡ君が童貞じゃないんだって。意外だよね」と言われて、
無邪気な顔して「うそっ！意外なんですけど～！！！」なんてとてもじゃないけど言えません。どの口が言ってるんだ、という話です。
反対に神妙な顔して「そんなはずないよ…」というのもリアルすぎ ます。

返答に困った私は「ふーん、なるほど、あのＡ君がー」といったまったく内容のないことを言ってしまいました。

今回の件に限らず、この女の経歴というのは飲みの席等でよく聞かれ、そのたびに返答に窮し、結果、偽りの自分、すなわちセックスしちゃったことがある自分を演出してしまっています。
不思議なことではありますが、それはそれで若干の優越感なんですが、やはり、胸が痛い部分はあります。


なんにせよ、早く本番を済ませて偽りの童貞から抜け出したい。今はその思いを強く感じております。
そのためにまず、貯金。
貯金をして高級ソープに行きたいと思います。最高の筆おろしは最高の風俗店で。これが僕のモットーであります。早く誇れる自分になれるよう、しっかり貯蓄に励みたいと思います。ご清聴ありがとうございました。