When the Music’s Over
2010年7月30日 エッセイ夏休みの大学生ほど、世の中で暇な人種もそうそう見つからないだろう。当時の俺は親から一人暮らしをするには十分な仕送りを貰っていた。故に、極暑のなか汗を流してアルバイトをしなければ生活できない、という苦境とはとりあえず距離を置いていた。
友達も恋人もいない夏休みに、俺は部屋でわけの分からない哲学書を読み、消費物としての小説を眺め、愚にもつかない小説を書き、大昔の・すでに化石化したロックンロールで踊り、愉快なクズの集まったインターネットを覗き、アダルトサイトの安っぽい動画で射精するなどして日々を過ごしていた。
無人の部屋に埃が積もっていくように、日々がうっすらと、だが確実に積み重なっていった。吹けば飛ぶような毎日が。
あんまりにも長く部屋にいたものだから、煙草の煙が部屋を侵食するように、その臭いやヤニが壁に染み付くように、俺という存在が部屋と同化し、その空間の一部となったようだった。
冷え切った部屋の中から、暑さで揺らぐ外を眺める。眼下には、真黒のスーツを着た人間が地図を持って走っている。もはや味すら感じない煙草に火をつける。ドアーズが終わりを歌い、ツァラトゥストラは山を下る。素晴らしい毎日だった。
http://www.youtube.com/watch?v=O2NgNxbXIqU
友達も恋人もいない夏休みに、俺は部屋でわけの分からない哲学書を読み、消費物としての小説を眺め、愚にもつかない小説を書き、大昔の・すでに化石化したロックンロールで踊り、愉快なクズの集まったインターネットを覗き、アダルトサイトの安っぽい動画で射精するなどして日々を過ごしていた。
無人の部屋に埃が積もっていくように、日々がうっすらと、だが確実に積み重なっていった。吹けば飛ぶような毎日が。
あんまりにも長く部屋にいたものだから、煙草の煙が部屋を侵食するように、その臭いやヤニが壁に染み付くように、俺という存在が部屋と同化し、その空間の一部となったようだった。
冷え切った部屋の中から、暑さで揺らぐ外を眺める。眼下には、真黒のスーツを着た人間が地図を持って走っている。もはや味すら感じない煙草に火をつける。ドアーズが終わりを歌い、ツァラトゥストラは山を下る。素晴らしい毎日だった。
http://www.youtube.com/watch?v=O2NgNxbXIqU
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