秋に吸う煙草はなぜうまいのか/Cigarettes &Alcohol
俺は長いこと禁煙しているが、それでも秋は煙草を吸いたくなる。

秋と煙草は一番良く似合う、富士に月見草がよく似合うように、ひきこもりにに2chがよく似合うように、秋と煙草は極めて自然な組み合わせだ。
春は花粉症でまともに外の空気を吸えないし、夏は暑いし、冬は寒い。

秋は、人を感傷的にさせる。退屈な室内から、冷めた屋外に出たその瞬間、過去の楽しかった思い出や充実した時間が一瞬で頭の中を巡る。夏で弛緩した脳が冬に向けて引き締まる。脳が引き締まる瞬間、過去の記憶も引き締まるのだ。

煙草は過去の記憶に貼りついている。サロンパスや湿布のようにそこから熱を発するわけでもないし、弛緩させるわけでもない。記憶の一部として、永遠に貼り続けられている。
俺はそれに、なんともいえない懐かしさを感じる。

人間が年をとることは、こういうどうでもいいが、それでも個人にとってはかけがえのない記憶を積み重ねることだ。年を取ることを恥じてはいけない。それは自分の人生を否定することだからだ。貼りつけられた記憶。ヤニが染み込んだ、黄ばんた記憶。総体としての自分。


Oasis - Cigarettes & Alcohol
http://www.youtube.com/watch?v=SaeLKhRnkhQ
オアシス - シガレッツアンドアルコール
煙草の代わりにアルコールを飲み始めた。煙草も吸えればどんなにいいことかと思う.
俺は結局、いつまで経っても煙草の幻想から逃れられない。

コメント

yasai
2010年9月26日9:11

タバコを悪者にする文化って、水洗トイレを普及させる文化みたいですね

盛男
2010年9月26日13:41

yasai先生こんにちは
すばらしいたとえです、唸りました。ありがとうございます。こんな素晴らしいたとえをいただきまして、ありがとうございました。