平成ビール銘柄大全集part9.カールスバーグ/ Little Green Bag
●街の一角に埋もれるように佇むそのダーツバーで、俺はカールスバーグと出会った。

既に3杯のザ・プレミアム・モルツを飲んでいたし、カウントアップも508点以上行かないし、もうやけになって適当に頼んだビールが、カールスバーグだったわけだが、俺はその衝撃を今でも忘れない。
カールスバーグを飲むと、なぜか面白いようにダーツがブルに集まった。
静かに投げられたダーツは、まるで太平洋を渡って飛んでくる蝶のように勇敢かつ荘厳に、ダーツボードとスローラインを結ぶ244センチメートルを渡り、ブルに吸い寄せられるのである。

カールスバーグをビールと単純に区分することは、俺には出来ない。
彼は南国のしぼりたてのフルーツジュースのようなみずみずしさもあるし、また、フレンチアルプスに注がれた雨や雪は氷河期に形成された重厚なる地層を数十年の単位を経て完璧に濾過されていくのだが、そこで生まれた一分の隙もない天然水のような清潔さも併せ持っている。
彼を単にビールと呼ぶことは、そういったイメージを無視して語ることとなってしまう。

ブルを射ぬくことは、そういった面倒な次元の話とは正反対のところに存在する。
俺がカールスバーグを飲んでブルにダーツが集中し始めたのは、ともすれば、俺が即物的な人間だからなのかもしれない。


George Baker Selection - Little Green Bag
http://www.youtube.com/watch?v=0L1hD5OlPtw
ジョージ・ベイカーセレクション リトルグリーンバッグ
緑がかかってるだけ。(画像の通り、カールスバーグはその鮮やかな緑が目印。ハイネケンとかぶってるけど)
曲はレザボア・ドッグスでおなじみ。何回聴いてもいいね。


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