好意を寄せている対象に自分の思うがままであって欲しいと思うのは普遍的な感情ではないだろうか。そのまま思うだけであればまだ良いのだが、思うがままである状態であることを相手に強要する人間がいる。難しいのは、その強要が非常に合理的・常識的な状態への強要であることも、場合としては、ありえるし、俺が推察するに、多くのの暴力的な支配の前兆には、そういった合理的・常識的な状態への強要があるのだと思う。

人は人を、支配できるかという問題はさて置いておいて、いちど対象が自分の支配に及ぶと判断すると、そのレンジは、次第に拡大する。口頭での支配から、精神的な支配、最後には暴力的な支配へ、不可逆に進行していく。(当然ごくごく稀に例外もあるだろう)しかしながら、強要される側というのは決して心の底からは納得しないものである。彼女・彼にはそれなりの理屈があるが、それは互いに簡単には理解されない。いや、理解を放棄しているからこそ、支配的な関係が生まれるのではないか。それを認識し、その上で支配的な関係を結ぶ、というのは、ある意味で、理想的な関係なのかもしれないが。

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