●黒ビールは、少なくとも日本人が毎日好んで飲むようなビールではないと思う。
日本人が好むのはどういった類のビールだろうか?
黒ビールはその答えの範疇に含まれないだろう。
黒いプレミアムモルツが違和感なく溶け込むシチュエーションを、俺達は用意できるだろうか?
日本人が好むのはどういった類のビールだろうか?
黒ビールはその答えの範疇に含まれないだろう。
黒いプレミアムモルツが違和感なく溶け込むシチュエーションを、俺達は用意できるだろうか?
Radiohead - Black Star
http://www.youtube.com/watch?v=QfzV-oHgRxU
平成ビール銘柄大全集part11.冬物語/Wintertime Love
2010年11月14日 平成ビール銘柄大全集
●この発泡酒みたいな名前の冬物語というビールは、とにかく苦い。圧倒的に苦い。
ガキの頃はどんなビールも苦くて飲めないと感じていたが、近頃ではそんなことはなくグビグビと楽しくビールを飲んでいた。しかしこの冬物語だけはまったく駄目だ。苦すぎる。
夏に飲むビール。それは例えばアサヒスーパードライのように汗を吹き飛ばすような爽快な飲み口が特徴だ。そこに苦味などいらない。重要なのは気持よくゴクゴクと飲めるその喉越しだ。
翻って冬に飲むビールは、夏のビールの飲み方とは違っている。例えば鍋を囲みながら、食事と一緒に少しずつ飲んでいくような、じっくりとした飲み方が正統的だろう。
そこにはやはりビールのもつ「味わい」のようなものが重視される。その意味で、この冬物語は名は体を表すではないが、極めて冬にふさわしいビールだと思う。
だが繰り返す。
こいつはとにかく苦すぎる。
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ガキの頃はどんなビールも苦くて飲めないと感じていたが、近頃ではそんなことはなくグビグビと楽しくビールを飲んでいた。しかしこの冬物語だけはまったく駄目だ。苦すぎる。
夏に飲むビール。それは例えばアサヒスーパードライのように汗を吹き飛ばすような爽快な飲み口が特徴だ。そこに苦味などいらない。重要なのは気持よくゴクゴクと飲めるその喉越しだ。
翻って冬に飲むビールは、夏のビールの飲み方とは違っている。例えば鍋を囲みながら、食事と一緒に少しずつ飲んでいくような、じっくりとした飲み方が正統的だろう。
そこにはやはりビールのもつ「味わい」のようなものが重視される。その意味で、この冬物語は名は体を表すではないが、極めて冬にふさわしいビールだと思う。
だが繰り返す。
こいつはとにかく苦すぎる。
The Doors Wintertime Love
http://www.youtube.com/watch?v=2LvMaPHmMw4
1960年代を代表するロックバンド、ドアーズ。彼らのキャリアを正確に、それでいてスリリングに物語った映画『まぼろしの世界 [When You’re Strange] 』を観た。
ともすれば既に解散してしまったロックバンドは神聖視され、偶像化され、伝説化され、彼らの残したあらゆる音楽が、パフォーマンスが、言動が、プライベートが、誇張され、幻想と共に物語れることとなる。オリバー・ストーンがドアーズを物語ったときの例を持ち出すまでもなく、それはたしかに無知なものにとっては楽しいエンターテイメントでありうるし、そして興行的である。
そのロックバンドを深く知り、敬愛する者にとってまず一番に重要なのは、正確であるか否か、という点だ。それ以上の優先事項はどこにもない。俺達が観たいのは例えば、オリバー・ストーンの「創造性に満ち溢れたジム・モリソンのダンス」ではない。実際にジムがステージ上で踊ったという事実であり、そしてそこにいたるまでのプロセスである。
映画『まぼろしの世界』はその意味もそうだが、また一般人が観ても満足できるような刺激的な構成になっている。ドアーズというバンドは日本ではおそらく、それほどメジャーではないように思える。故にこの映画を知らないだろうし、知っていたとしても黙殺するだろう。
だが、時間が許せば、ぜひとも観て欲しい。
この映画はあなたの知覚を浄化する。すべてのものはありのままに現れ、無限に見えることとなるだろう。
公式サイト
http://www.thedoors.jp/
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●昔も書いたけど結婚式に出るのが基本的には好きじゃない。理由は端的に言うと、あんな茶番、退屈すぎて見てられないからだ。式はやる方も、見る方も、基本的には儀式的に、いやいややっているのではないか?少なくとも男性は。
だが唯一の、たった一つの救いは、披露宴で出てくる料理や酒が美味いことが多いことである。
ハートランドは以前強制的に出席させられた結婚式の披露宴で出されたビールだ。俺はそれまでハートランドという銘柄のビールを知らなかった。ま緑の、中央にラベルのない個性的な装いをした瓶には、濃厚でいて上品なピルスナーが詰められている。
俺はハートランドを飲んだ瞬間に、言葉を失った。
それまで延々と退屈な予定調和を腹をすかせてぼんやり観せられていた俺は、「結婚式。それはもう結構な式。」とかどうしようもないことを考えていた。
目の前のグラスにま緑の瓶からビールが注がれる。俺は静かにグラスに口をつけた。
その瞬間、言葉を失ったのである。
ぼんやりとした脳を一気に覚醒させる刺激的な香り、そして口の中を重く染み渡る重厚な飲み口、飲み終わったあとの秋晴れの空のような清々しさ。
退屈に何重にも巻かれていた俺は、ハートランドの巻き起こした嵐のような衝撃に、何が起こったのがまったく分からなくなってしまい、完全に言葉を失った。
それから俺はもう気が狂ったようにハートランドを飲み続け、挙句、披露宴中に熟睡し、気がついたらいつの間にか家のベッドの上にいたという実に素晴らしいコースをたどることとなった。ハートランド、彼は退屈の反対側に位置する。
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だが唯一の、たった一つの救いは、披露宴で出てくる料理や酒が美味いことが多いことである。
ハートランドは以前強制的に出席させられた結婚式の披露宴で出されたビールだ。俺はそれまでハートランドという銘柄のビールを知らなかった。ま緑の、中央にラベルのない個性的な装いをした瓶には、濃厚でいて上品なピルスナーが詰められている。
俺はハートランドを飲んだ瞬間に、言葉を失った。
それまで延々と退屈な予定調和を腹をすかせてぼんやり観せられていた俺は、「結婚式。それはもう結構な式。」とかどうしようもないことを考えていた。
目の前のグラスにま緑の瓶からビールが注がれる。俺は静かにグラスに口をつけた。
その瞬間、言葉を失ったのである。
ぼんやりとした脳を一気に覚醒させる刺激的な香り、そして口の中を重く染み渡る重厚な飲み口、飲み終わったあとの秋晴れの空のような清々しさ。
退屈に何重にも巻かれていた俺は、ハートランドの巻き起こした嵐のような衝撃に、何が起こったのがまったく分からなくなってしまい、完全に言葉を失った。
それから俺はもう気が狂ったようにハートランドを飲み続け、挙句、披露宴中に熟睡し、気がついたらいつの間にか家のベッドの上にいたという実に素晴らしいコースをたどることとなった。ハートランド、彼は退屈の反対側に位置する。
Heartland - I Loved Her First
http://www.youtube.com/watch?v=ab4VRWX8y1A
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●街の一角に埋もれるように佇むそのダーツバーで、俺はカールスバーグと出会った。
既に3杯のザ・プレミアム・モルツを飲んでいたし、カウントアップも508点以上行かないし、もうやけになって適当に頼んだビールが、カールスバーグだったわけだが、俺はその衝撃を今でも忘れない。
カールスバーグを飲むと、なぜか面白いようにダーツがブルに集まった。
静かに投げられたダーツは、まるで太平洋を渡って飛んでくる蝶のように勇敢かつ荘厳に、ダーツボードとスローラインを結ぶ244センチメートルを渡り、ブルに吸い寄せられるのである。
カールスバーグをビールと単純に区分することは、俺には出来ない。
彼は南国のしぼりたてのフルーツジュースのようなみずみずしさもあるし、また、フレンチアルプスに注がれた雨や雪は氷河期に形成された重厚なる地層を数十年の単位を経て完璧に濾過されていくのだが、そこで生まれた一分の隙もない天然水のような清潔さも併せ持っている。
彼を単にビールと呼ぶことは、そういったイメージを無視して語ることとなってしまう。
ブルを射ぬくことは、そういった面倒な次元の話とは正反対のところに存在する。
俺がカールスバーグを飲んでブルにダーツが集中し始めたのは、ともすれば、俺が即物的な人間だからなのかもしれない。
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既に3杯のザ・プレミアム・モルツを飲んでいたし、カウントアップも508点以上行かないし、もうやけになって適当に頼んだビールが、カールスバーグだったわけだが、俺はその衝撃を今でも忘れない。
カールスバーグを飲むと、なぜか面白いようにダーツがブルに集まった。
静かに投げられたダーツは、まるで太平洋を渡って飛んでくる蝶のように勇敢かつ荘厳に、ダーツボードとスローラインを結ぶ244センチメートルを渡り、ブルに吸い寄せられるのである。
カールスバーグをビールと単純に区分することは、俺には出来ない。
彼は南国のしぼりたてのフルーツジュースのようなみずみずしさもあるし、また、フレンチアルプスに注がれた雨や雪は氷河期に形成された重厚なる地層を数十年の単位を経て完璧に濾過されていくのだが、そこで生まれた一分の隙もない天然水のような清潔さも併せ持っている。
彼を単にビールと呼ぶことは、そういったイメージを無視して語ることとなってしまう。
ブルを射ぬくことは、そういった面倒な次元の話とは正反対のところに存在する。
俺がカールスバーグを飲んでブルにダーツが集中し始めたのは、ともすれば、俺が即物的な人間だからなのかもしれない。
George Baker Selection - Little Green Bag
http://www.youtube.com/watch?v=0L1hD5OlPtw
ジョージ・ベイカーセレクション リトルグリーンバッグ
緑がかかってるだけ。(画像の通り、カールスバーグはその鮮やかな緑が目印。ハイネケンとかぶってるけど)
曲はレザボア・ドッグスでおなじみ。何回聴いてもいいね。
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●子供の頃の俺にとってのビールのイメージは、限りなく悪かった。オヤジがビールを飲んで暴れて、母親に暴力をふるっていたのを毎日のように見てきたからだ…。というのは嘘で、純粋にビールの持つ「オッサン臭さ」が鼻についたからだ。
お盆や正月に親戚のおっさんが集まってビールを飲んで顔を真赤にしている様子は野暮丸出しで嫌いだったし、飲食店でビールを飲むおっさんたちに溢れんばかりの大衆性を感じてしまって悲しくなったこともある。
だがバドワイザーに代表される外国のビールは違った。ガキはアホだから『外国のもの=かっこいい』みたいな発想だから、バドワイザーを飲んでいるおっさんはちょっとかっこよく見えるのだ。
例えば人がブランドの服を買うのは着心地のよさだけを求めるわけではなく、そのブランドの持つステータスも同時に欲しているように、人間は決して実質性だけを求める生き物ではない。
特にこんにちにおいては発泡酒や第三のビールの出現により、ビールのもつ「高級感」が際立ち、言ってみれば「ブランド感」は高まっている。その中において「アメリカのビール」となると、より一層のブランド感が付与されることとなる。同じ食べ物でも食器の清潔さや形によって満足感が違ってくるように、おそらく、こういったブランドイメージというものもビールを楽しむ上では、ひとつ重要な要素であることに間違いはないだろう。
●バドワイザーは大学生のようなビールに慣れていない人間に向いているビールだと言える。その味の軽さ、そして仄かな甘味はビールビギナーを優しく迎えて入れるはずだからだ。昔からアメリカの懐の広さは変わらない。
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お盆や正月に親戚のおっさんが集まってビールを飲んで顔を真赤にしている様子は野暮丸出しで嫌いだったし、飲食店でビールを飲むおっさんたちに溢れんばかりの大衆性を感じてしまって悲しくなったこともある。
だがバドワイザーに代表される外国のビールは違った。ガキはアホだから『外国のもの=かっこいい』みたいな発想だから、バドワイザーを飲んでいるおっさんはちょっとかっこよく見えるのだ。
例えば人がブランドの服を買うのは着心地のよさだけを求めるわけではなく、そのブランドの持つステータスも同時に欲しているように、人間は決して実質性だけを求める生き物ではない。
特にこんにちにおいては発泡酒や第三のビールの出現により、ビールのもつ「高級感」が際立ち、言ってみれば「ブランド感」は高まっている。その中において「アメリカのビール」となると、より一層のブランド感が付与されることとなる。同じ食べ物でも食器の清潔さや形によって満足感が違ってくるように、おそらく、こういったブランドイメージというものもビールを楽しむ上では、ひとつ重要な要素であることに間違いはないだろう。
●バドワイザーは大学生のようなビールに慣れていない人間に向いているビールだと言える。その味の軽さ、そして仄かな甘味はビールビギナーを優しく迎えて入れるはずだからだ。昔からアメリカの懐の広さは変わらない。
"Here Comes the King
http://www.youtube.com/watch?v=6aWzuQ1ufGs
バドワイザーのテーマ
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平成ビール銘柄大全集part7.アサヒ ザ・マスター/Master-Dik
2010年10月26日 平成ビール銘柄大全集
●その重厚な衣裳とは逆に、アサヒ ザ・マスターの口当たりは雲のように柔らかい。
グラスに注ぐとまず気づくのは『いかにもビール』というようなダンディな香り。ホップの効いた、コクのあるラガービール。アサヒ ザ・マスターはたぶんそういった類の、よくあるビールなのだろう、我々はそう高を括ってしまう。
しかし真実は全く違う。炭酸の刺激が抑えられた、ソフトで滑らかな口当たり。日本人が飲み慣れた「炭酸が強く、喉越しが滑らかで、すかっとする」ビールとは別次元に位置する。
アサヒ ザ・マスターには規制のビール概念を飛び越えて、新しいソフトビールとでも呼びたくなるようなジャンルを一人確立している。アサヒスーパードライがドライビールというジャンルを確立したように、アサヒ ザ・マスターもまた新たなジャンルを市場に創出することだろう。(調べてみるとドイツの正統的なビールの味を模倣したものらしい。だから別に新しいジャンルでも何でもなく、昔から正統的に存在してきた味なのだ。俺の知識なんてそんなものだということがよくわかっていただけたと思う。)
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グラスに注ぐとまず気づくのは『いかにもビール』というようなダンディな香り。ホップの効いた、コクのあるラガービール。アサヒ ザ・マスターはたぶんそういった類の、よくあるビールなのだろう、我々はそう高を括ってしまう。
しかし真実は全く違う。炭酸の刺激が抑えられた、ソフトで滑らかな口当たり。日本人が飲み慣れた「炭酸が強く、喉越しが滑らかで、すかっとする」ビールとは別次元に位置する。
アサヒ ザ・マスターには規制のビール概念を飛び越えて、新しいソフトビールとでも呼びたくなるようなジャンルを一人確立している。アサヒスーパードライがドライビールというジャンルを確立したように、アサヒ ザ・マスターもまた新たなジャンルを市場に創出することだろう。(調べてみるとドイツの正統的なビールの味を模倣したものらしい。だから別に新しいジャンルでも何でもなく、昔から正統的に存在してきた味なのだ。俺の知識なんてそんなものだということがよくわかっていただけたと思う。)
Sonic Youth - Master-Dik
http://www.youtube.com/watch?v=08HB4lKNcNA
俺の場合、ソニックユースの楽曲は好き嫌いはっきりと分かれるが、この曲は大嫌いだ。
紹介しといて悪いんですけど、みなさん聴かなくていいと思います。
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●こいつは、アンドロイド(人造人間)のようなビールだ。
キリン一番絞りは、気の遠くなるような綿密で重厚な分析のもと、日本人が最も好きであろう味を人工的に力づくで開発したみたいな味をしている。タイのシンハービールなどといったいい加減なビールとは全く違う。
不自然なほど澄み切ったその味わいには、驚愕すら覚える。不純な物質、雑味などをマイクロメートル単位で排除しているに違いないと確信させるその精錬さ。全くの抵抗を無視した、真っ直ぐに落ちていく喉越し。明徹に仕組まれた完璧な商品だ。
日本の科学力に乾杯。
キリン一番絞りは、気の遠くなるような綿密で重厚な分析のもと、日本人が最も好きであろう味を人工的に力づくで開発したみたいな味をしている。タイのシンハービールなどといったいい加減なビールとは全く違う。
不自然なほど澄み切ったその味わいには、驚愕すら覚える。不純な物質、雑味などをマイクロメートル単位で排除しているに違いないと確信させるその精錬さ。全くの抵抗を無視した、真っ直ぐに落ちていく喉越し。明徹に仕組まれた完璧な商品だ。
日本の科学力に乾杯。
The Stone Roses - This is the One
http://www.youtube.com/watch?v=YXfnZ7HYD_k
平成ビール銘柄大全集part5.ザ・プレミアム・モルツ/天国への階段
2010年10月21日 平成ビール銘柄大全集 コメント (2)
●ザ・プレミアム・モルツは既にビールという枠組みを拒否している。
それは例えば焼肉のお供としてとなりに座っているアサヒスーパードライとまったく趣が違うし、ハンバーガーを食べながら鯨飲するバドワイザーとも違うし、当たり前だが粗末な夕食と共にする発泡酒や第三のビールなどとも全く違う。
ザ・プレミアム・モルツは、それ自体が、逸品の料理だ。
●ザ・プレミアム・モルツほどうまいビールを、俺は知らない。単純に沢山の種類のビールを飲んだことがないこともひとつだが、それにしてもザ・プレミアム・モルツは圧倒的だ。綺羅びやかな陽光に包まれたスイスのお花畑を想起させる幸せな香り、そしてフィリピンの大統領ですら大事そうに食べる最高級の南国のフルーツのような瑞々しさ、静かにそして高貴に漂う余韻。
あらゆる要素が、圧倒的だ。
ザ・プレミアム・モルツがザ・プレミアム・モルツであり続ける限り、俺は絶対に自殺をしないだろう。
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それは例えば焼肉のお供としてとなりに座っているアサヒスーパードライとまったく趣が違うし、ハンバーガーを食べながら鯨飲するバドワイザーとも違うし、当たり前だが粗末な夕食と共にする発泡酒や第三のビールなどとも全く違う。
ザ・プレミアム・モルツは、それ自体が、逸品の料理だ。
●ザ・プレミアム・モルツほどうまいビールを、俺は知らない。単純に沢山の種類のビールを飲んだことがないこともひとつだが、それにしてもザ・プレミアム・モルツは圧倒的だ。綺羅びやかな陽光に包まれたスイスのお花畑を想起させる幸せな香り、そしてフィリピンの大統領ですら大事そうに食べる最高級の南国のフルーツのような瑞々しさ、静かにそして高貴に漂う余韻。
あらゆる要素が、圧倒的だ。
ザ・プレミアム・モルツがザ・プレミアム・モルツであり続ける限り、俺は絶対に自殺をしないだろう。
Led Zeppelin-Stairway to Heaven
http://www.youtube.com/watch?v=w9TGj2jrJk8&feature=related
レッド・ツェッペリン 天国への階段
あまりに、あまりにベタで語るのも恥ずかしいが、俺の世界で一番美しいと思う曲がツェッペリンの『天国への階段』だ。カラヤンをして「私がオーケストラで演奏するとしてもこれ以上のアレンジを必要としない名曲」と言わしめた恐るべき美しき洗練。
俺はあと千回はこの曲を聴くだろう。ザ・プレミアム・モルツを飲みながら。
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平成ビール銘柄大全集part4.アサヒスーパードライ/ 福山雅治
2010年10月14日 平成ビール銘柄大全集●妙な言い方になるがアサヒスーパードライは「消耗品」であると言える。
余韻や味をじっくりと味わう類のビールでは決して無い。一夜限りの行きずりの恋のような、激しく、そして後をひかない潔さがある。
喉を落ちるその一瞬こそがアサヒスーパードライの輝かしい命の期限だ。我々はその一瞬を幾度となく消費する。消耗されることでしかその生命を示すことが出来ないという点において、アサヒスーパードライは風俗嬢に似ている。
●辛口だドライだ言ってるが、アサヒスーパードライは結局のところ「苦味のないビール」だと考えていいだろう。どんなに舌が鈍い人間でも、キリンラガービールとアサヒスーパードライを飲み比べてみれば、ビールにも味の違いというのがあるんだなあ、としみじみと実感できるはずだ。言うまでもなくアサヒスーパードライのその苦味のない飲みやすさ、ごくごく感はやはり爽快である。
アサヒスーパードライ CM 福山雅治
http://www.youtube.com/watch?v=egNB6jmLZfI
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平成ビール銘柄大全集part3.サッポロ生ビール<黒ラベル>/それぞれの味
2010年10月12日 平成ビール銘柄大全集
●正直に言うと、黒ラベルの良さが俺にはわからない。かなり凡庸な味だ。黒ラベルを飲んで何か感動したりすることはない。ヱビスのような奥深さ・洗練を感じることもないし、キリンラガービールのような嫌味すら感じる苦味も感じないし、もちろんバドワイザーのようなほのかな甘味もないし、かといって発泡酒のように安っぽくもない。
CMで「丸くなるな、星になれ」なんて言ってるけど、一番丸いのは黒ラベル、お前だと言いたい。(だが、個人的には決して嫌いな味ではない。)
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CMで「丸くなるな、星になれ」なんて言ってるけど、一番丸いのは黒ラベル、お前だと言いたい。(だが、個人的には決して嫌いな味ではない。)
リピート山中-サッポロ黒ラベルのうた 「それぞれの味」
http://www.youtube.com/watch?v=eJDuXgjo2pY
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平成ビール銘柄大全集part2.キリンラガービール/乾杯
2010年10月10日 平成ビール銘柄大全集
●新橋駅の高架下には、赤ちょうちんをぶら下げた昔ながらの屋台が並ぶ。
毎晩遅くまで年配のサラリーマンがくだを巻く。口から出るのは上司の悪口、不景気だという嘆きの声、退職後の不安、そして家庭の不和。
キリンラガービールは、彼らの話をずっと聞いてきた。日本経済を支えてきた彼らに、キリンラガービールは今も変わらない厳しくも優しい眼差しを向ける。いい事ばかりじゃない。でも、頑張るしか無い。毎日はそうやって過ぎていく。
●キリンラガービールはよく言えば、格調高いビールなのかもしれない。ホップがすごく効いていて、苦味や香りが強い。言うまでもないが、ホップはビールの苦味と香りをもたらす。キリンラガービールの場合、調べてみるとなるほど、以前よりも1,3倍ものホップを使用しているとのこと。ビールらしいビールを飲みたい人におススメのビールだと言える。俺は全然好きじゃないけど。
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毎晩遅くまで年配のサラリーマンがくだを巻く。口から出るのは上司の悪口、不景気だという嘆きの声、退職後の不安、そして家庭の不和。
キリンラガービールは、彼らの話をずっと聞いてきた。日本経済を支えてきた彼らに、キリンラガービールは今も変わらない厳しくも優しい眼差しを向ける。いい事ばかりじゃない。でも、頑張るしか無い。毎日はそうやって過ぎていく。
●キリンラガービールはよく言えば、格調高いビールなのかもしれない。ホップがすごく効いていて、苦味や香りが強い。言うまでもないが、ホップはビールの苦味と香りをもたらす。キリンラガービールの場合、調べてみるとなるほど、以前よりも1,3倍ものホップを使用しているとのこと。ビールらしいビールを飲みたい人におススメのビールだと言える。俺は全然好きじゃないけど。
長渕剛_乾杯
http://www.youtube.com/watch?v=aQL1LYOCN6k
名曲には名曲のゆえんがある。EXILEとか倖田來未とかKARAみたいな最近の楽曲ばかり聴いてないでたまには昭和の名曲も聴きなさいって。すごいのあるから。
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平成ビール銘柄大全集part1.ヱビス/第三の男のテーマ
2010年10月6日 平成ビール銘柄大全集
●一際目立つ、滑らかなゴールド。ヱビス。
そこには日本人すべてのビールファン憧れの視線が注がれる。
疑いなくヱビスビールは日本のビール文化の伝統と権威であり、その圧倒的な存在感は決してドイツのビールにもひけをとらない。
ロイヤルサルートがロイヤルサルートであり続けるように、ヱビスはこれからも変わらぬヱビスであり続けるだろう。
●ヱビスビールを飲むには力が必要だ。
ヱビスビールと軽い気持ちで向きあうことは出来ない。
奥深い味わいと、(日本のビールにしては)苦味がヱビスビールの特徴だ。
紛れもない、正統的で、オーセンティックなビールである。そこにはある種の偏執的な狂気すら感じる。ヱビスの味と質は妥協と真逆に位置している。神経症的な執着がなければ、この味には到着しなかっただろう。イチローの安打にかけるキチガイじみた執念に似たものを感じる。
イチローは安打への偏執的な愛を継続し続け、メジャーリーグで10年連続シーズン200本安打を達成した。
遠くまでいく者・モノはみな気狂いじみている。
だが、なぜだろう、俺はヱビスビールが全く好きではない。苦いのだ。
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そこには日本人すべてのビールファン憧れの視線が注がれる。
疑いなくヱビスビールは日本のビール文化の伝統と権威であり、その圧倒的な存在感は決してドイツのビールにもひけをとらない。
ロイヤルサルートがロイヤルサルートであり続けるように、ヱビスはこれからも変わらぬヱビスであり続けるだろう。
●ヱビスビールを飲むには力が必要だ。
ヱビスビールと軽い気持ちで向きあうことは出来ない。
奥深い味わいと、(日本のビールにしては)苦味がヱビスビールの特徴だ。
紛れもない、正統的で、オーセンティックなビールである。そこにはある種の偏執的な狂気すら感じる。ヱビスの味と質は妥協と真逆に位置している。神経症的な執着がなければ、この味には到着しなかっただろう。イチローの安打にかけるキチガイじみた執念に似たものを感じる。
イチローは安打への偏執的な愛を継続し続け、メジャーリーグで10年連続シーズン200本安打を達成した。
遠くまでいく者・モノはみな気狂いじみている。
だが、なぜだろう、俺はヱビスビールが全く好きではない。苦いのだ。
アントン・カラス - 第三の男のテーマ
http://www.youtube.com/watch?v=1BzKdQqLfWo&feature=related
エビスビールといえばシャバディバディ♪のCMがあまりに有名だが、元曲はアントンカラスの第三の男のテーマというギターインストゥルメンタルであることをご存知だっただろうか。
ハッピーな気分になれる、押しも押されぬ名曲である。
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平成ビール銘柄大全集(まえがきにかえて)/Beer song
2010年10月3日 平成ビール銘柄大全集
ビールを少なくともまずいと感じなくなったのはいつからだろうか。
たぶん、それは俺がタイに旅行に行ったとき以来だと思う。
夏のタイはほんとうに暑い。真昼のバンコクはキチガイじみた車の交通による排気ガスと、熱帯的な気候により、不愉快な熱気に包まれている。
タイの地ビールはまずい。十把一絡にするのも気が引けるが、タイ産のリオビールやチャーンドラフトを飲んで、これは駄目だと思った。タイのビールは焼酎のように濃い。口の中で濃厚なアルコールが下世話に拡がる。要するに、何の爽快感もないのだ。(どうでもいいが、タイでビールを頼んで「氷は必要か」と聞かれてびっくりした。ビールに氷を入れるのはタイ位じゃないだろうか?)
しかたがないから、タイではずっとオランダ産のハイネケンを飲んでいた。ハイネケンの特徴はその爽やかな瑞々しい飲み心地と、柔らかで広大な麦畑を思わず想起させる豊かな香りだ。1863年以来、途切れることなく製造され続けている由緒正しき正統的ビールと言える。
昼間から遺跡や寺院を巡りながら飲むハイネケンはすごくうまかった。ものすごい開放感だった。
夜、オープンテラスのバーで、外の風を浴びながら、現地の女の子や外国人旅行者とハイネケンを飲みながら会話を楽しんだのもいい思い出だ。
その時以来、ビールは悪くないものだと思い始めた。それはまでは小便色の苦い水という認識しかなった。そしてその認識は、つい最近まで続いてた。要するに、タイでハイネケンを飲んだのは、それほど遠くない過去だった、ということである。
そういうこともあり、俺はビールに関して無知だ。日本にはたくさんのビールの銘柄がある。今まではどれでもいいやと言わんばかりに適当に飲んできた。それも悪くない飲み方かもしれないが、それぞれの銘柄を飲み比べて、どのビールが一番うまいのか、確かめる必要がるのではないかと、俺は勃然と思った。
決断した俺は早い。酒屋に行って適当に缶ビールを買ってきた。10種類くらい買ってきた。冷蔵庫がビールで埋まっている。俺はその一本一本について、感じたことをこのブログで書いていきたいと思った。
この『平成ビール銘柄大全集』と冠されたシリーズでは、ビールど素人の俺が、勝手にビールを飲み、個人的な好き嫌いを語ることになるだろう。ハッキリ言うが、何しろど素人の書く事だ。めちゃくちゃだ。テニスを始めたばかりの人間のスイングのようなものだ。一生懸命に走ってラケット振ってもボールに当たることが稀なように、俺のビールについて語る言葉が核心に迫ることも稀だろう。何の脈絡も、分別も、美しさもないスイングのように、俺の書くビールについての感想もでたらめだろうと思う。
だが、楽しさだけはある。テニスに臨むときの高揚感、心が弦楽器のように震える様な興奮を、俺はいろんな銘柄のビールを飲んで、それぞれの違いを味わってみることを通じて感じることとなるはずだ。
この連載は楽しいものになるだろう。
楽しいことがあるこということは、人生を健康的に送るにあたって、一番大事なことだ。この連載があなたにとって少しでも楽しみになれば幸いである。
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たぶん、それは俺がタイに旅行に行ったとき以来だと思う。
夏のタイはほんとうに暑い。真昼のバンコクはキチガイじみた車の交通による排気ガスと、熱帯的な気候により、不愉快な熱気に包まれている。
タイの地ビールはまずい。十把一絡にするのも気が引けるが、タイ産のリオビールやチャーンドラフトを飲んで、これは駄目だと思った。タイのビールは焼酎のように濃い。口の中で濃厚なアルコールが下世話に拡がる。要するに、何の爽快感もないのだ。(どうでもいいが、タイでビールを頼んで「氷は必要か」と聞かれてびっくりした。ビールに氷を入れるのはタイ位じゃないだろうか?)
しかたがないから、タイではずっとオランダ産のハイネケンを飲んでいた。ハイネケンの特徴はその爽やかな瑞々しい飲み心地と、柔らかで広大な麦畑を思わず想起させる豊かな香りだ。1863年以来、途切れることなく製造され続けている由緒正しき正統的ビールと言える。
昼間から遺跡や寺院を巡りながら飲むハイネケンはすごくうまかった。ものすごい開放感だった。
夜、オープンテラスのバーで、外の風を浴びながら、現地の女の子や外国人旅行者とハイネケンを飲みながら会話を楽しんだのもいい思い出だ。
その時以来、ビールは悪くないものだと思い始めた。それはまでは小便色の苦い水という認識しかなった。そしてその認識は、つい最近まで続いてた。要するに、タイでハイネケンを飲んだのは、それほど遠くない過去だった、ということである。
そういうこともあり、俺はビールに関して無知だ。日本にはたくさんのビールの銘柄がある。今まではどれでもいいやと言わんばかりに適当に飲んできた。それも悪くない飲み方かもしれないが、それぞれの銘柄を飲み比べて、どのビールが一番うまいのか、確かめる必要がるのではないかと、俺は勃然と思った。
決断した俺は早い。酒屋に行って適当に缶ビールを買ってきた。10種類くらい買ってきた。冷蔵庫がビールで埋まっている。俺はその一本一本について、感じたことをこのブログで書いていきたいと思った。
この『平成ビール銘柄大全集』と冠されたシリーズでは、ビールど素人の俺が、勝手にビールを飲み、個人的な好き嫌いを語ることになるだろう。ハッキリ言うが、何しろど素人の書く事だ。めちゃくちゃだ。テニスを始めたばかりの人間のスイングのようなものだ。一生懸命に走ってラケット振ってもボールに当たることが稀なように、俺のビールについて語る言葉が核心に迫ることも稀だろう。何の脈絡も、分別も、美しさもないスイングのように、俺の書くビールについての感想もでたらめだろうと思う。
だが、楽しさだけはある。テニスに臨むときの高揚感、心が弦楽器のように震える様な興奮を、俺はいろんな銘柄のビールを飲んで、それぞれの違いを味わってみることを通じて感じることとなるはずだ。
この連載は楽しいものになるだろう。
楽しいことがあるこということは、人生を健康的に送るにあたって、一番大事なことだ。この連載があなたにとって少しでも楽しみになれば幸いである。
Adam Sandler - Beer song
http://www.youtube.com/watch?v=yzcEG_JoVuo
ビールについて熱く歌った曲。徹底的にふざけているが、徹底的に楽しい。
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